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その他不動産の相続に関連するご質問
相続人の間で話し合いができません。相続財産である自宅にこのまま住み続ければ、いずれ時効取得はできますか? (和歌山県 T様)

■ご質問
おじい様がお亡くなりになられたTさんからのご相談です。
相続人はTさんのお父様である長男を含めて4人。
その内2名については普段から会話すらできないような状態だそうです。
相続財産は、長男ご家族がお住まいの宅地と、
耕作地として収入をあげている畑です。

家事調停にかけると、我々が生活すらできなくなります。
このような場合、どのようにすればいいですか。
また、相続不動産における時効取得の制度とかあるのですか?

■回答
拝読いたしましたところ、農業で生計をたてておられるようですが、
相続問題は、昔のように長男がすべて世襲するということは
少なくなってきております。
従いまして、今回のご相談内容について、ご提案できる方法と致しましては
@相続分を金銭で解決する
A農地を相続人で分ける
という形になります。
まずは相続財産を明確にし、相続分が金額でいくらくらいになるのか
ということを知ることがポイントです。

相続人4名様の内うち、2名とのお付き合いが無い状態だということでしたが
できれば、お話し合いの機会を持たれることをおすすめ致します。
調停に掛けると、生活ができなくなるとのことでしたが、話し合いが出来ない
以上、調停か、放置しておくか以外の方法はありませんが、
放置することは、T様ご自身に遺恨を残すことになり、すべきではないと思います。


まず、@とAの方法についてですが、現金をお持ちでない場合、
「A農地を分ける」以外の方法はありません。
しかし農地は簡単に売却できるものでもございません。

内容の中に、今回の相続物件は宅地と畑、とありました。
ご自宅に関しまして、建物がお父様名義で宅地のみが相続物件である場合、
相続人全員の名義になったとしても、借地扱いになり評価が下がるため、
一般的に言いますと、他の3名の相続人には、相続するメリットが少なくなります。
従いまして、ご自宅の宅地については、建物がお父様名義であるなら
お父様ご自身が相続される方向にお話が進むかもしれません。

また、相続税について、税金がかからなければよいのですが
かかるとなれば、相続発生後10ヶ月以内に申告しなければなりませんので
分割協議がまとまらない場合でも決定相続分に応じて納税義務が
発生しますので、ご注意下さい。


さて、お問い合わせいただいておりました
相続不動産における時効取得の件です。
時効取得は「単独に相続したものと信じて疑わず」して占有し、
税金等も自分名義で納付し、
これについて他の相続人が何ら関心も持たず、意義も述べない状態で、
相続開始から自分の意思で占有することが条件になります。
(この場合の「自分の意思での占有」には、単独で相続権がある、
または贈与してもらったと信じていた等の事情が必要です。)

一般的な時効取得は、占有さえしていればよいのですが、
相続がからむと20年さかのぼる、
または20年後に要件を立証することになりますので、
今回のように全部をあてはめることは不可能に近く、
また20年さかのぼっても、20年間放って置いても
他の相続人から意義がある可能性も多く、難しいと思われます。

この「相続不動産の時効取得」については相続開始後20年以上が経ち、
相続人が亡くなっていたり枝分かれしたりなどして、どうしても相続人がわからず
全員の印鑑がそろえられないなどの時に使われることがあります。

T様におかれましては、まずは相続財産の金額について明確にされた上で
お話し合いの機会を一度もたれ、金銭面での解決もしくは
賃貸を考えた農地分割の方向でお話し合いをされてはいかがでしょうか。
もしどうしても折り合いがつかなければ、
専門家に間に入ってもらうなどの方法もあります。

結果:相続不動産の時効取得は、今回のケースには該当しません。

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